
「野球人生で一番うれしい本塁打」地元・沖縄で西武・山川 - 毎日新聞
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○西武7―6ソフトバンク●(21日・沖縄セルラー那覇)
打球が上がった瞬間、ファンもチームメートも総立ちになった。手を突き上げて、ゆっくりと歩を進めるのは、地元沖縄に凱旋(がいせん)した西武の山川。七回、勝負を決定づける3ランを放ち、1万6000人を超える満員のスタンドを沸かせた。
1点差に迫られた直後の七回1死一、二塁。松田遼の3球目、外のスライダーをフルスイングすると、打球は左中間席にきれいな放物線を描き、吸い込まれた。リーグ最速20号で試合を決定づけ「鳥肌が止まらなかった。野球人生で一番うれしい本塁打」。盛り上がりは最高潮に達した。
恩返しをしたい一心だった。ただでさえ希少な沖縄での公式戦。2年前の開催は2軍で調整中だった。「前回はかっこいい姿を見せるどころか、グラウンドにも立てなかった」と山川。無名だった中部商高時代、何度も挫折しそうになりながら、仲間や地元の人の声援に後押しされた。「いつか特大のホームランを打って、沖縄の人をわかせたい」。その決意が、成長の源となった。
山川は「沖縄のことを思って必死にプレーしたこの気持ちを、忘れずにやっていきたい」と胸を張った。球界を代表する長距離打者として戻った古里で、最高の雄姿を見せた。【角田直哉】
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